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Googleアナリティクスの謎の計測結果、 (not set)と(not provided)とは

こんばんわ、ディレクターのR.U.です。
ここ最近めっきり寒くなって来ましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
2017年もあと少し、体調を崩されないようお気をつけください。

Google Analyticsのレポートを見ていると、かならず目にする(not set)と(not provided)
ページ別訪問数で見ても全体のかなりの割合を占めています。
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「そんな影響力の強そうな数字なのにその意味を知らないのはやばい!」
と思ったWEB担当者の方も多いのではないでしょうか。

私自身、なんとなく知っているけど・・・
という程度だったので、改めて調べてみました。

Googleのサポートページではこんな風に書いてあります。

(not set)

"選択したディメンションについて情報が得られていないときに、
 アナリティクスで使用されるプレースホルダ名です。
 「(not set)」がディメンション値として表示される原因は、レポートによって異なります。
 参考:https://support.google.com/analytics/answer/2820717?hl=ja

うーん、なんだかよくわかりません。
これを解釈すると・・・

「ユーザーの参照元、訪問ページなど、データを収集しようと試みましたができませんでした。
原因はいろいろですが・・・ とりあえず(not set)と書いておきますね!」

みたいなことだと思います。
つまりなんらかの原因でGoogleがユーザー情報を取得できなかった場合のセッションが、ここに記録されているんですね。
日本語で言うと「不明なデータ」、Cookieが落としてしまったデータということでしょう。

とはいえかなり色んなところで散見される(not set)
「そっかーGoogleがわからないなら仕方ないよね。仕方ない。せんかたなし!」
とみすみす諦めるわけにもいかなかったので、アクセスの中身として可能性のあるものを調べてみました。

(not set)の中身

(not set)に含まれるアクセスは様々ですが、可能性があるものの一例をご紹介します。

1、キーワード検索以外の手段でサイトに辿り着いた
別サイトからの訪問、お気に入りからのアクセスなど、ユーザーの直接の検索を介さず流入したものはキーワードを取得できません。
キーワードを伴わない流入(例えば、Facebookからの流入など)では、取得できるキーワードがないため(not set)と表示されます。

2、パラメータが未設定
SSL化以前はリファラー情報に含まれていたキーワードを取得していましたが、これが取得できなくなりました。
そこで対策として、パラメータ(トラッキング用にサーバに送る情報)を付与したURLを生成し、擬似的にキーワードトラッキングを行っていました。
この設定が正しくないと、(not set)として扱われるようです。

3、外部サイト扱いのため
Yahoo!検索からの流入は外部サイト扱いとなり、(not set)となります。
そのためキーワードも取得されません。

4、リファラスパム
このリファラスパムが一番問題ですね。
参照元をチェックすると、「おっ、知らないサイトからアクセスがあった!どんなサイトかなー?」
なんてクリックして見に行っちゃいますよね?
ギブしてくれたんだからテイクしてあげなきゃ!
と思うのが人情というもの。

ところがこのスパムは、これを逆手にとってアクセスを誘導する悪意のある行為なのです。
何も起こらないこともありますが、URLを叩いたらウイルスに感染するなんていう最悪の事態に遭う可能性も・・・
なんと卑劣な!

そんなわけで、見慣れないサイトURLはクリックしない方が身のためです。
(どうしても気になる場合は、aguse.jpなどで一度チェックしてみるのが良いです。)
対処についてはこちらのサイトで解説してくださっています。
参考:http://birdwing3.com/201505165/

(not provided)

(not provided)は、SSLやセキュリティの面からキーワードを取得できなかった場合に発生するようです。
Google検索はSSLにより検索キーワードを暗号化しており、データが取得できなかったことが考えられます。
(https://から始まるURLは、暗号化されているためデータを取得できません)

これは、Google検索のSSL化に加えて、キーワード入力中のサジェスト(検索結果予測)のように検索エンジンとブラウザの双方が高度化して、
ユーザーがキーワードを送る前に目的のURLに辿り着けるようになってるいことが背景にあります。
プライバシー保護、セキュリティの面から、キーワードを拾えないようになっているのですが、
キーワードからユーザーのニーズを分析しようとしている我々としてはかなり困ります!
数が少ないならまだしも、キーワード流入数の大部分を占めるものなら中身を知っておくべき!と思うのが自然です。

対処法

・「ランディングページ」からユーザーニーズを知る
ランディングページは、ユーザーが訪れる最初のページです。
検索エンジンから流入したユーザーは、検索キーワードと合致した内容のサイトに訪問する傾向があるので、
ある程度のニーズを掴むことができます。

・Google Search Consoleを活用する
アナリティクス管理画面左のメニューから「集客」→「Search Console」と進み有効化。
「検索クエリ」からキーワードを調べる。(Google検索のみ対応)

上記のような方法で、キーワードを類推することができます。
正確な流入キーワードを把握したい場合は、
Google Adwordsを運用し、ニーズのあるキーワードを盛り込んだコンテンツを制作、
ということも考えられそうです。


まとめ

Googleの仕様は日々アップデートされているので、「昨日までできたことが今日できなくなっていた」
ということもよくあります。
業界の動向を把握し、柔軟な対応ができるように、
日頃の情報収集を心がけたいですね。

以上、Googleアナリティクスの (not set)と(not provided)についてでした。
このエントリが、何かしらのお役に立てれば幸いです。

文:R.U.